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本気の質問に全力回答で盛り上がった!
春のオープンキャンパス

後半はアニメ音楽についてのトライアルレッスンも開催

2024年3月24日(日)開催


2024年春のオープンキャンパスでは、ミュージッククリエーション専攻の紹介、卒業生の活躍、そして事前に質問箱に寄せられた質問に対する回答が行われました。
また後半は、アニメ音楽についてのトライアルレッスンも開催されました。

~概要~

【開催日】
 2024年3月24日(日)

【出演教員】
渡邊 崇 特任教授
(専攻・入試説明、Q&A、トライアルレッスン)

金 慶來 助教

【ゲスト学生】
露口 綾夏(3年生)
小栗 匠十(1年生)
※学年は出演時

春のオープンキャンパス2024

【音楽仕事は技術職。作曲のフルコースを学べるMCr専攻】

ミュージッククリエーション専攻は、作曲の基礎からDAWによる打ち込み、レコーディングやミックスダウンに至るまで、音楽を制作するために必要な技術を、現役の音楽家でもある講師陣から直接学べる専攻です。
音楽の仕事を技術職として捉え、ポピュラー音楽、映画音楽、CM音楽、ゲーム音楽、アニメ音楽と、様々な音楽産業に対応できるプロフェッショナルを育成するカリキュラムを揃えています。

春のオープンキャンパス2024

【現役のプロから直接学べる本物の技術】

大学生として過ごす4年間は、卒業後にプロとして活躍するための作曲技術を学ぶにはとても短いです。
だからこそミュージッククリエーション専攻は、現役の作曲家を講師陣として迎え、より実践的かつ高密度な授業を行います。

また、オーケストラによるレコーディングなど、音楽単科大学としての恵まれた環境をフルに活かせることも他にはないアドバンテージです。

今回のオープンキャンパスでは、本専攻の卒業生達が携わった作品の数々が紹介されました。アニメやドラマの劇伴、CM曲、シンガーへの楽曲提供、または自らがアーティストになるなど、多岐に渡る活躍が紹介されました。

高い基礎力を身に付け、20年後も実力派でありつづけること。これが、ミュージッククリエーション専攻が掲げる、卒業生の人物像です。

春のオープンキャンパス2024

【在校生を交えた質疑応答】

──(渡邊)ミュージッククリエーション専攻の魅力って何でしょう?

露口綾夏さん(3年生):色んなジャンルの作曲を経験することになるので、これまで気付かなかった自分の得意分野が見つかったり、人から意外な所を評価されたりするところですね。

小栗匠十さん(1年生):プロとして活躍されている先生方に気軽に質問ができたり、相談ができたりすることです。普通ではあり得ないと思います。僕はそこが魅力ですね。

春のオープンキャンパス2024

──入学してみてからの印象はどうでしたか?

露口さん:最初の1年間はポピュラーソングを1週間で1曲作るという授業があって、しんどいけどやるしかない、という感じで精一杯でしたが、後期になってくると少しずつ余裕が出てきました。MVをみんなで作って楽しんだりとか、自分の中のキャパが広がりましたね。

小栗さん:僕は作曲経験もほとんど無かったので、1週間に1曲はハードでした。しかもピアノも弾けないのにピアノ伴奏で作ってこいと言われたりとか(笑) でも、後期の最後の授業の時、同級生に「あの曲めっちゃ良かったよ!」「メロディが良かった」と言われたのは凄く嬉しかったです。

──自分らしさというのを見つけたのは素晴らしいですね。1年生の時は作曲の筋トレです。入学時にMacBookとDAW一式を支給するのは、「毎日作曲しろよ」という意味なんです。

さて、質疑応答のコーナーに行きましょう。
(抜粋して紹介します)

春のオープンキャンパス2024

【作曲の道は茨の道?それとも夢の道?】

「現在、コードネームの付け方を勉強しています。ミュージッククリエーション専攻に入るには、どの程度の能力が必要なのか教えていただきたいです。」

──例えばメロディがあって、基本のコード進行…I IV V Iとか、トニック、ドミナント、サブドミナントがありますが、それに加えて借用が入ったり転調が入ったりと、基本のコード進行から一歩踏み出した使い方ができるとベストかなと思います。
ちなみに入試の時にはコードネームの構成音について聞きます。例えばCM7の構成音を下から言ってみてください、というような。コードネームの構成音を知っておくというのは大事だと思います。
露口さんはコードについてはどうですか?

露口さん:入学した時はコードが嫌いで、全然できなかったんですよ。テンションって何?という感じでした。さすがに今は分かるようになりましたが。

──露口さんはピアノの経験があるから、耳が良いんですよ。だから、コード理論に囚われない動きをする曲を書くんですね。それが破綻なく綺麗なので、いつもワクワクさせられます。

春のオープンキャンパス2024

「入試の曲提出をするにあたって、DAWはどのくらいのレベルが求められますか?」

──お二人はどうでした?

露口さん:自分は高3の1月にここへの入試を決めたのですが、DAWの経験が全くなかったので、急いでCubaseを買って作った曲で出しました。なのでクオンタイズも合ってないくらい、DAWのレベルは高くなかったです(笑)

小栗さん:僕はStudio Oneを少し触った程度だったので、入試の時は自由曲演奏で弾き語りをしました。

──過去に、スマホのGarageBandで作って入学した人もいました。
そもそも何を見ているかというと、DAWの使い方が上手な場合はもちろん得点になるのですが、やはりメロディです。良いメロディの曲は合格する可能性が高くなります。

面接では、提出作品について、どうやって作ったか?というのを聞きます。DAWではなく生演奏の場合でも、どのように録音しましたか、と言ったプロセスを聞きます。
クリエイターであり作曲家を育成する専攻なので、楽器の上手さよりも、曲にどのような工夫を盛り込みました?といったような作曲家目線ですね。
自分の得意な部分を自分で見極めて、そこを全面に押し出すようにして欲しいです。

でも、一番聞きたいのは「どれだけ音楽が好きか?」ということです。音楽が好きでなければ、1週間に1曲なんて書けませんから。

春のオープンキャンパス2024

「卒業後、作曲家の収入だけで生活できている方はどれくらいいらっしゃいますか?」

──確かに厳しい世界ではありますが毎年数人います。下積みも必要だと思いますし、僕も最初はアルバイトしてました。
ただ、CMに関わると新人でも1曲20万円貰えたりしますから、一人暮らしであれば月1本やればなんとか生活できるかなという感じですね。

でも、作曲の収入だけとなるとすぐには難しいので、最初は制作会社に入ったり、カラオケのオケを制作したりと、音楽にまつわる色んな仕事をやりながら独り立ちできるように努力する、という人が多いと思います。

甘い道ではないけど、とてもやり甲斐があると思いますし、あながち夢みたいな業界でもないです。最初に言いましたけど、作曲家は技術職ですから。

春のオープンキャンパス2024

「現在独学でBGMを制作してるんですが、やめた方が良いのでしょうか?」

──なぜやめるのですか(笑) やった方がいいでしょう。この質問は「独学」というところに疑問を感じてるのかな?

どんな物でも作れる人ならともかく、独学ってどうしても作る物の幅が限られてしまうんです。その限られた幅の中で作るものがこの先何十年も需要があればそれでいいんですが、音楽を仕事として続けていけば浮き沈みがありますよね。沈んだときに自分の収入を支えるのが技術だと思うんです。
自分の得意な所に学んだ技術を加えて、ニーズに合うように出し方を変えてみるとか。独学で難しいのはその辺だと思います。

技術を使って人生を安定させていくイメージですね。

春のオープンキャンパス2024

【トライアルレッスン:映像と音楽の関係 アニメの場合】

後半はトライアルレッスンとして、アニメの劇伴仕事について、渡邊教授が手掛けたお仕事の話から、流す音楽によって朗読の印象がどれほど変わるかという実験が行われました。

映画、テレビドラマ、アニメと数々の劇伴音楽を手掛ける渡邊教授。
本日のトライアルレッスンは、アニメの音楽仕事について掘り下げられました。

──(渡邊)映画音楽の場合は先に完成した映像を渡され、このシーンにこのようなイメージの音楽をといった打ち合わせを元に作っていくことが一般的です。1本の映画で、約30曲くらい作ります。
アニメの場合は、最初に作る音楽のリストが届きます。だいたい50曲くらいあるでしょうか。そのリストに合わせて曲を作っていきます。

もちろん、生楽器のレコーディングをすることも多々あります。
その場合は楽譜が必要になるのですが、レコーディングの直前までアレンジの修正をしているので、自分で楽譜を書くのは間に合わず、外注で楽譜を作ってもらい、ミュージシャンに渡しています。

春のオープンキャンパス2024

楽譜を書くバイトとして、学生にやってもらうこともあります。学生からすれば、アレンジの勉強になるんです。ストリングスをどう響かせるか、とか。その種明かしが全てここにある感じですね。

──この曲は、発注書には「ハワイの大自然、綺麗なメロディ、雄大、日本でも使う」と書いてあります。ハワイの大自然をイメージしても、日本のシーンでも使うから、ハワイアンにしちゃいけないんですよね。

そうやって楽曲を作り、ステムで納品します。ステムとは、レコーディングした各チャンネルをバラして、後からエディットやミックスができる状態のことです。

春のオープンキャンパス2024

先ほど言ったように、アニメの音楽というのは後から映像に合わせます。その際、ステムがあると打楽器の音の尺をもう少し伸ばしたいとか、ここにセリフが載るから少し落としたいといったことができるんです。

でも、映画音楽のようにシーンに当てて作曲することもあります。その場合、監督からビデオコンテ(絵コンテの映像版)をもらい、展開と尺を考えながら音楽を作っていくのです。

春のオープンキャンパス2024

──さて、お金の話をしましょう。

私は個人事業主という形で作曲を行っています。収入の内訳としては、作曲料と印税と講師料です。講師料はこの大学のお仕事ですね。

作曲料は、アニメ1本の楽曲を50曲作って数百万です。そこから経費としてレコーディング費用などが掛かります。
そして印税があります。これまでたくさんの仕事をしてきましたので、生活が余裕になる額の印税を頂いています。

私が作曲家を目指す人に対し、会社勤めよりもフリーを勧めるのは、会社勤めの場合は一概には言えませんが作曲料や印税が会社のものになり、自分は給料をもらえるだけ、という場合が多いためです。フリーの場合は自分が受け取れるので、実入りが大きいのです。

春のオープンキャンパス2024

【トライアルレッスン:BGMによるイメージ変化の実験】

トライアルレッスンの後半では、あるテキストを読み上げてもらい、そこに異なる種類のBGMを付けて、印象の差異を確かめるレッスンが行われました。

トライアルレッスンの参加者に挙手してもらい、2名の方に好きなテキストを朗読して頂きました。

用意されたBGMは2種類。
ピアノが主体の綺麗めでクリーンな感じの曲と、ちょっと怪しい雰囲気の曲。
同じ内容のテキストが朗読されているのに、受ける印象が全く異なりました。

この実験で分かったことは、音楽とは強い表現力をもっている、ということです。

普段何気なく聴いているアニメや映画の音楽に、注意深く耳を傾けてみてください。
たくさんのことが学び取れるはずです。

冬のオープンキャンパス

ミュージッククリエーション専攻では、作品の表現力を強く後押しする音楽を作るための作曲家を育成します。
今回は、学生の生の声から制作現場の裏側までと、盛りだくさんのオープンキャンパスになりました。

取材・文:BUBBLE-B


次回のオープンキャンパスは、2024年7月14日(日)実施予定です!

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