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Vol.1 自分で自分を育てる (2016/08/26)




大学でミュージカルの指導をして、6年目になる。
俳優の指導を始めたのは、27歳。劇団の代表から指名されてのことだった。私自身は不器用な俳優だったので、とにかく上手くなるための練習・稽古を人一倍やっていた。それでも技能習得に時間がかかり、「ああでもない、こうでもない」と回り道ばかり。結果的にそれが指導の引き出しを多くすることにつながった。
34年間、指導の仕事をしていて、思うことは二つ。

(1)教えることは教わること
(2)自分を育てるのは自分

「この言い方では伝わらない。どう言えば?」「なぜ、この方法で上手くならないんだろう?」。あれこれ必死に考えることが、指導者としての私を成長させてくれた。
俳優の素質はひとり一人みな違う。その俳優個人のためのアドバイスを私はする。それを俳優が自分の技能向上にどう役立てるか。上手くなるための練習・稽古を日々積み重ねることができるか。
俳優としての自分を育てるのは誰でもない。自分自身である。