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第16回「自分を育てる」(松田ひろ子①)


4月1日、入学式後のコースガイダンスで私が学生に伝えた言葉。
「自分を成長させるのは貴方たち自身で、教員はそのお手伝いをするだけです。」

目標をもって入学してきた彼らに対し、私たち教員は彼らを映し出す『鏡』となり、より良くなるように導いていく。
人によっては『ありのままの姿』を映し出され目をそむけたくなることもあるかもしれない。
でも、凹んでる時間があればとにかくやってみる。そう!「明るく・元気に・朗らかに」のモットーでコツコツやり続けられるか。自分の身体と心を動かしているのは紛れもなく自分自身。「飛び込め!やりこめ!入りこめ!」この短い2年間。稽古の虫になって没頭してほしい。

では視点を変え、その学生を映す『鏡』が歪んでいたり曇っていたらどうだろう・・・

個人的な考えだが、何事も初めに指導を受ける「師」の影響は大きいように思う。自分の人生を振り返ると「音楽の基礎」も「演技の基礎」も、そして「ミュージカル創作」も、私は最初に指導を受けた「師」に恵まれてきたと思う。基本技術を反復練習することや、
自由な表現には知性や教養が必要である・・・エトセトラ、エトセトラ・・・・
何事も最初が肝心。努力の仕方や考え方を、手を替え品を替え伝え続けてくれた「恩師」には感謝でしかない。
そして今、私は指導側となり20数年。鏡として向き合った生徒たち一人一人から多くの事を教わったように思う。私の指導を映し出す鏡は学生たちである。これまでの経験を踏まえ、また新しく出会った学生たちに向き合い、鏡を磨き続けたいと思う。
そう、我らミュージカル・コースは学生と教員が『お互いに向かい合う鏡』となり、成長し合える学び舎である。

松田ひろ子(教授)

東京芸術大学音楽学部声楽科卒業。劇団四季を経てシンガーとして活動するほか、クラシック・ミュージカルの垣根を越えた幅広いジャンルの歌唱指導には定評がある。子役から大人までオーディション、劇団に多数の合格者を出している。そのほか各地でのミュージカルワークショップ、ミュージカルショーやコンサートイベントの構成・編曲も意欲的に手がけ、DAIONオリジナルミュージカルで作編曲、音楽監督を務める。「DAION座」代表。
歌唱指導で心がけていること―「音楽の楽しみ方を伝える」「一人一人の身体と発声の癖を発見し、目的に合った指導」
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