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第3回 「大音ミュージカル・コースに来ての感想」(井上智映子①)


大音ミュージカルコースの第一印象、学生の芝居が上手い。リアリティからうまくシアトリカルに持っていっている。正直、私よりよっぽど芝居が上手い。作り込まれた芝居というより、リアルで、自然で、素直な芝居だ。

前期は、羽鳥さんの早口と、古典演劇から現代劇、ストレートプレイからミュージカルまで、次々と進んでいく内容の濃い授業に圧倒される。もちろん基礎的な演技発声、歌唱発声、身体の使い方、動かし方は物凄くこだわり、同時進行で行われる。これに食らいついていく学生たちは本当に凄い。
宣伝したいわけではないが、プロのミュージカルプレイヤーにもぜひ学んで欲しい内容だ。プロの世界に入ると、台本読解や芝居の基本を詳しく学ぶ機会が少ない。

韓国出身の俳優と芝居の話をしているとき、「日本では、演劇を学んでいる人が少ないね」とツッコまれた。ドキッとした。私もそのうちの1人だったので。多くの韓国出身のミュージカル俳優は演劇学校で、芝居を学んだという。
変なのかもしれないが、私は「歌が上手いね」と言われるより「お芝居よかったよ」と言われる方が嬉しい。そもそも褒めていただけるだけありがたいことだが、作品を運ぶ一員として役割を果たせた思いになる。ダンス専攻や、歌専攻の人も、ミュージカルプレイヤーの道を志すのであれば、この学びを得ることをお勧めする。

井上 智映子(講師)

愛媛県出身。徳島文理大学卒業。フルート専攻で大学に入学後、在学中にミュージカル俳優を志し声楽科へ編入。徳島文理大学卒業後は公立中学校音楽教員を経て、劇団四季へ入団(2010~2023)。「ライオンキング」ラフィキ役、シェンジ役、「バケモノの子」宗師役、「ウィキッド」産婆役、「マンマミーア」他、歌番組、CM等にも出演。俳優活動の他、カンパニーのコーラス指導や、後輩育成にも力を注ぐ。

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