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第1回 「誰一人見捨てない」(羽鳥三実広①)


 先日、前期定期試験を終えた(7/24,26の2日間)。
 私は一採点委員ではあるが、試験で学生がどんなパフォーマンスを見せてくれるかを毎回楽しみにしている。そして失礼を承知で言えば、指導する教員ひとり一人の力量を測ることも楽しみだ。試験における学生のパフォーマンスを見れば、指導における教員らの熱意、その技術が一目瞭然となるからだ。
 採点委員は、日本舞踊、クラシックバレエ、ジャズダンス、ボーカル、演技、これらの科目の各教員合わせて15名ほど。受験者は1年生、2年生、専攻科生の3学年を合わせて40名超。丸2日かけての試験となった。

 さて、この度の試験。
 とにかく、ミュージカルコースの教員らは素晴らしい!我田引水と言われようが、このひと言に尽きる。学生を誰一人、取り残していない。見捨てていないのだ、誰一人として。歌、踊り、演技の3技能すべてのレッスン経験を持って入学してきた学生はほとんどいない。「ダンスはやってきたが、歌は初めて」。「歌はやってきたが、クラシックバレエなんて初めて」等々。だから科目によっては「ど初心者」が存在する。そういった学生らひとり一人にも真摯に向き合い、懇切丁寧、我慢強い指導を繰り返した結果が、試験で形になって現れた。上手い、下手ではない。学生らがそれぞれの技術レベルで自らの課題に向き合ってレッスンを積んできた結果、皆、「伸び」を見せてくれたのだ。
 試験終了後、「やりきった」という表情を見せる学生らを私は誇らしく思い、併せて称賛に値する教員らの日頃の指導に敬意を表していた。

羽鳥三実広(特別教授)

慶応義塾大学商学部卒。脚本家・作詞家・演出家。劇団四季出身。学生時代より27年間に亘る同劇団在籍中、俳優として3000回以上の舞台に立ち、同時に演出助手、脚本執筆、演技教師も兼務。作品作りに参加すると共に多くのメインキャストを育てる。「ミュージカル異国の丘」は故・浅利慶太氏との共著。四季退団後の2004年、「シアタープロジェクト羽鳥」設立。「羽鳥塾」での俳優育成と共に創作活動を開始。「YAKUMO」「夜物語」「孤児マリア」等の作品がある。2011年より本学教授に就任。「大阪から全国へオリジナル・ミュージカルを発信する!」を目標に掲げ、毎年オリジナル作品の創作上演を行うと共に、ミュージカルによる教育的見地からの社会貢献を生涯の仕事と定めている。
他にユニバーサル・スタジオ・ジャパンでの演技指導と演出協力(2006~2016年)やTBS新人アナウンサーのボイストレーニング(2006年~2019年)、全国各地での講演やワークショップなど、精力的に活動中。

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