〈レポート〉大阪音楽大学 第54回吹奏楽演奏会
2023年3月4日(土)ザ・シンフォニーホールにて「大阪音楽大学 第54回吹奏楽演奏会」が開催されました。ヤン・ヴァンデルロースト氏(Jan Van der Roost)を客演指揮者に迎え、オール・ヴァンデルロースト・プログラムを披露しました。
ー P r o g r a m ー
■ヤン・ヴァンデルロースト
- テレプシコーレ
- グリム童話の森 “昔むかし、ある所に…”からの組曲
- ノビリタス
- 交響詩「モンタニャールの詩」
- シンフォニア・ハンガリカ
第1楽章 アッティラ!
第2楽章 アールパード
第3楽章 イシュトヴァーン
「テレプシコーレ」のキレのあるマーチで華々しくオープニングを飾ると、続く「グリム童話の森“昔むかし、ある所に…”からの組曲」では、“金の鍵” “赤ずきん” “ルンペルシュティルツヒェン”“眠れる森の美女(いばら姫)”の4つの物語を紡ぎます。各シーンを再現する色彩豊かな演奏には、絵本のページをめくるのにも似た高揚感がありました。
3曲目は、ヤン氏が尊敬していた関西吹奏楽界の重鎮、木村𠮷宏氏に進呈した2014年の作品「ノビリタス」。昨年木村氏が亡くなられたことを受け、ヤン氏の希望で演奏されました。金管群が威厳たっぷりに音楽を前進させ、木管のあたたかな音色は寄り添うように、曲全体にぬくもりを与えます。
前半最終曲は、吹奏楽コンクールで人気の交響詩「モンタニャールの詩」。イタリアのヴァッレ・ダオスタ州アオスタをモチーフとした作品で、打楽器群の特殊奏法によって再現される深い霧が、会場の空気を一気に塗り替えます。風土、歴史、文化、人物とさまざまな観点から描かれるアオスタ。その一つひとつが細部まで行き届いた繊細な表現力で、立体的に演奏されました。
プログラムの後半は、ハンガリー建国の歴史に登場する3人の王をテーマに作曲された、40分以上を要する大曲「シンフォニア・ハンガリカ」。第1楽章は、災難の神とも呼ばれた“アッティラ”の凶暴で残忍なキャラクターが音楽を支配します。強弱・緩急のコントラスト鮮やかな演奏から伝わるエネルギーの激流やうねりは、観客をも巻き込む勢いで猛進。軍隊が威喝する場面では、学生たちの渾身の叫びに、勇ましい兵士の姿を見るようでした。
“アールパード”と題された第2楽章の舞台は、ハンガリー王国初代王朝のアールパード朝。神秘的な空気を伴って始まり、激しくぶつかり合う戦いから祝祭的で崇高な音楽へと流れていきます。誇り高きアールパードの主題は、今なお国民に敬愛されるアールパードの偉大さを感じさせるたくましい演奏でした。
第3楽章。“イシュトヴァーン”が敵対する異教徒との闘争を経て、誇りと栄光をもってハンガリーの祝福へと向かいます。剣を打ち合う音がアンビルや金属鍵盤打楽器の打撃音で再現されるなど、臨場感たっぷりの演奏で、観客の想像力を掻き立てました。スコアに“Like a Organ!”とあるハンガリー国歌は、パイプオルガンの音色を模した荘厳な響きで奏でられ、圧巻の迫力に。希望に満ちた輝かしいエンディングとなりました。
“アールパード”と題された第2楽章の舞台は、ハンガリー王国初代王朝のアールパード朝。神秘的な空気を伴って始まり、激しくぶつかり合う戦いから祝祭的で崇高な音楽へと流れていきます。誇り高きアールパードの主題は、今なお国民に敬愛されるアールパードの偉大さを感じさせるたくましい演奏でした。
第3楽章。“イシュトヴァーン”が敵対する異教徒との闘争を経て、誇りと栄光をもってハンガリーの祝福へと向かいます。剣を打ち合う音がアンビルや金属鍵盤打楽器の打撃音で再現されるなど、臨場感たっぷりの演奏で、観客の想像力を掻き立てました。スコアに“Like a Organ!”とあるハンガリー国歌は、パイプオルガンの音色を模した荘厳な響きで奏でられ、圧巻の迫力に。希望に満ちた輝かしいエンディングとなりました。
観客の熱烈な拍手を受けて、アンコールには「プスタ」から第4楽章を演奏。心弾む舞曲のリズムが、終演後の会場に余韻を残していました。
Photo/ ©️S.Yamamoto
「大阪音楽大学 第55回吹奏楽演奏会」のおしらせ
|