グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ



  1. Home
  2.  >  News
  3.  >  第2弾!「美大」×「音大」の学生間コラボで短編映画制作

第2弾!「美大」×「音大」の学生間コラボで短編映画制作


\ Let's share! /

ニュース

映像のプロを目指す武蔵野美術大学の学生とのコラボ第2弾!昨年に続き今回も大阪音楽大学の学生が作曲を担い、短編映画を一緒に制作しました。完成した4作品を紹介します。
 こちらも要チェック 

このコラボレーションの真意を
映画音楽作曲家・渡邊崇 特任教授が
noteで発信されています。
「作曲技術より大事なもの」とは… !?

劇音楽作曲家にとって作曲技術より大事なものが何かをご存知でしょうか。
音楽家と演出家の隔たり


「眠れない夜に眠れる段ボール」


監督:内田茉侑(武蔵野美術大学)

私自身、布団に入っても眠れずそのまま朝を迎えることが多いのですが、調べてみるとこのような日中の不完全燃焼感から眠れなくなる現象は「リベンジ夜更かし」と呼ばれているそうです。⽇中できなかったことなどを睡眠時間を削って⾏うことで満⾜して寝ることができる。この現象の「満⾜感(安⼼感)を得ることで寝ることができる」という部分を作品の⼤枠にしようと考えました。
では、何によって満⾜感を得ることができるのか。私が半年ほど実家を離れていた時期、わざわざ家族と話したいと思うことはありませんでしたが、いざ話してみると形容し難いある種の安⼼感を覚えたという経験がありました。このような⾃⾝が体感した感情、感覚を⼊れようと考え、今回の作品が完成しました。
吉村さんには作品から伝わる感情を増幅させるようなとても素敵な楽曲を作っていただき、音楽が持つ力について再認識することができました。

音楽:吉村玲那(大阪音楽大学)

私自身、映画音楽の経験が浅く、私にできるのか不安な部分もありましたが、監督とたくさんコミュニケーションを取りながら制作していくことができたので安心して取り組めました。曲作りに関しては、主人公の不安げな気持ちや、ただ淡々と毎日が過ぎていく様子、不健康さ、不安だけど寂しすぎない感じなど、絶妙なバランスを音楽で表現することがとても難しかったです。
ですが、監督とやり取りさせて頂く中で、秒針の音的なものを織り交ぜて表現させられたらという分かりやすい提案も頂いたので、それからイメージが湧きやすくなり、曲作りをスムーズに進めることができました。
全体的に、1人芝居でセリフもあまりない作品なので、音楽によって情景や主人公の気持ちなどが大きく表される作品になっていて、音楽の重要さをとても感じました。
今回貴重な経験をさせて頂き、とても勉強になりました。また一緒に制作させて頂きたいなと思います。

「あなたに一番美味しいところを」


監督:前田千夏(武蔵野美術大学)

今作を構想した最初の理由は、友人達に『ここにいます』と伝えたかったからです。
友人がSNSで自身に対するネガティブな発言を発信していたり、スマホ内の他者と比べ傷ついている様子を頻繁に見かけます。
もう消えちゃいたい、などの声を聞くたび私は非常に悲しく、もどかしさを覚えます。
この作品はそんな彼らに、彼らの周りにある、人のぬくもりに改めて気づいて欲しいと思い作成しました。そのぬくもりは負の感情に隠されやすく、私自身もよく見失い初めから無かったかのようにみえます。
制作ではそのぬくもりを忘れないよう、届けられるよう努めました。
現場は様々なぬくもりに溢れた学びある楽しい場所でした。準備時から皆で様々な意見を出し合い、リハを重ねました。明るくお喋りで意欲的なメンバーが集まったチームで、私自身大変助けられました。
今回楽曲提供して下さった渡邉慶太朗さんも、私の言葉足らずによりイメージしにくい部分が多々あったと思いますが、全3曲、本当に素晴らしい楽曲を作って下さいました。制作陣も渡邉さんの音楽が大好きで、皆で編集休憩時によく聞いていました。
渡邉さんの音楽と私たちの映像が誰かのぬくもりになれたら本当に幸せです。
この授業は本当に何にも変え難い、素敵な経験です。
たくさんの気づきと学びがありました。この大きな学びを今後の経験に活かしていきます。

音楽:渡邉慶太朗(大阪音楽大学)

ずっとやりたかったことができて、とにかく楽しかったです!…と言えたら良かったんですが、当然そんなはずもなく…。作っている最中は時間が足りなくて、本当に締切までに作りきれるのかという不安を抱えながらの作業でした。前田監督に確認してもらうデモもどこまで作り込めばいいのか分からず、色々と手探りの状態でしたので作業工程にも無駄が多かったように思います。
それでも自分なりに妥協なしで仕上げられたのは、前田監督が僕の曲を好きだと言ってくださったからです。その言葉があったからこそ、私は自分の「好き」を信じて作り上げることができました。前田監督と出会えたことが、私にとって一番の僥倖です。
そして今回映画制作に関われたことが、今後の私の支点となってくれるような気がしています。このような貴重な機会を与えてくださった渡邊崇先生はじめ、関わってくださった多くの方々に心から感謝申し上げます。ありがとうございました!

「ビビビビ」


監督:深野真洋(武蔵野美術大学)

この映画は、道路のヒビ割れから生まれる小さなコミュニケーションのお話です。ヒビ割れを直す調査にきた道路管理会社に勤める男と、ヒビ割れに名前を付けて可愛がる少年が出会い、共に街中のヒビ割れを巡ります。「ヒビ」という言葉は、しばしば関係性が壊れる時に使われることがあります。その様な意味を持つヒビ割れが、新たなコミュニケーションを生むきっかけになれば面白いと考え、この物語を構想しました。道路に広がるヒビ割れは、いつの間にかそこに在り、 一つとして同じものがありません。それは、不思議と人と人の繋がりの様に感じられる気がしています。

音楽:髙田かなで(大阪音楽大学)

昨年に続き、武蔵野美術大学との作品制作に携わることができ、とても嬉しく思っています。
本作は、いつも何気なく目にしている「道路のヒビ割れ」をモチーフに描かれており、その着眼点や構想から深野監督のユーモアを感じ、すぐに作品に魅かれました。企画書を読んだ時からすでにワクワクしていたのを覚えています。
今回、音楽制作では監督の作品への想いを大切にした上で、複数の音楽のパターンを提案させていただきました。映像・物語・音楽・言葉を通して互いの感性を交え、試行錯誤を重ねて、一緒に完成へと向かう。自分も1人のクリエイターとして作品に携わっているという実感が、私の気持ちを引き締め、完成へと向かわせました。
「ビビビビ」の世界に音楽を添えさせていただけて大変光栄です。
深野監督率いる「ビビビビ」に携わったすべての皆さんにも感謝の気持ちでいっぱいです。
ありがとうございました。

「SCHOOL BACK」


監督:細田真未(武蔵野美術大学)

自身が実際にみた夢から着想を得て、ランドセル女というキャラクターを生み出しました。ユカとリョウの間にできた性としてある身体の認識のズレから生まれた「苦しみ」と、ユカと自分を照らし合わせ、自己犠牲と「慈しみ」を表現することに挑戦しました。構成の段階で、自身の夢から生まれた作品なので、潜在的な記憶だったり、性的趣向を改めて考えたきっかけにもなりました。
楽曲は相談しながら、イメージを擦り合わせながら制作していただけたので、作品のイメージを象徴する楽曲を挿入歌にでき、スマホだけで撮影した動きのある映像に、さらに勢いをつけて貰えたと思います。
今回、初めて自分の監督作品であり出演作品でもあったので信頼できる仲間とアクションだったり、カット割りだったりをこだわりながらも、楽しく制作できました。

音楽:Koala Chang(大阪音楽大学)

世界観が非常に好みの作品で、終始ワクワクしながら制作させていただきました。劇伴音楽は作曲経験が乏しく不慣れではあったのですが、企画書や脚本に取っ掛かりとなるキーワードが沢山散りばめられていたので非常に助かりました。また、監督が勢いのある楽曲をご希望だったこともあり、自身のルーツであるロックを活かす方向で進めようと早い段階から定めていたので比較的スムーズに頭の中を整理出来ました。
メインテーマは映像を確認する前に作曲させていただいて、自分の中のイメージと映像がリンクするか不安だったのですが、そこまで齟齬が生じなかったようで安心しました。制作前にテンポ感や使用楽器、参考曲など綿密に打ち合わせしておいてよかったと思いました。とは言え至らなかった点も沢山あるので、今回の経験を活かして今後も挑戦していきたいです。