大音生の㊙練習ファイル－ヴァイオリン－

大音生の㊙練習メソッドを解明する企画。第3弾はヴァイオリンです。協力してくれたのは、大学3年・ヴァイオリン演奏家特別コースの谷口響子さん。今回はこれまでとは少し視点を変えて、谷口さん流“実力upに必要な3つのポイント”を掘り下げます。

1. ヴァイオリン体操で体づくり

「理学療法で身体から変えるバイオリン体操」
（著・高野賢一郎、監修・増田直子／ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス）

練習にしっかり時間が取れる時は、この書籍を参考に体づくりから始めます。私は特に首と肩が凝りやすいので、首回し・肩回しはマスト！

この書籍は、ヴァイオリン演奏のための前身ストレッチがわかりやすく図解されていて、すべて通してから演奏してみるとその違いは歴然。体の使い方や音色に大きな変化を実感できます。

全体を通すと結構時間がかかるため、毎回できるわけではないですが、時間がないときでも首と肩回しだけは必ず取り組んでいます。

2. 練習ノートで頭の中を整理

楽譜にたくさん書き込むタイプなのですが、スペースが限られているので書ききれないことがあったり、あちこちにばらけていたりと見にくかったので、課題を一覧で確認できるように練習ノートを作り始めました。ノートに書き起こすことで頭の中が整理され、課題が明確になり、理解も深まります！
（相変わらず楽譜にも書き込みますが…。）

ちなみに、個人的にノートの余白が多すぎると不安になるので、課題を書き込んでちょうど埋まるくらいのA5サイズを愛用中。課題だけではなく、試験での先生からの講評も書き留めて励みにしています！

3. オリジナル難易度ランク分けでハードルを可視化

個人的に視覚からの意識づけが一番わかりやすくて効果的なので、クリアしなければならない課題（難しいところ）は★1～5の「5段階」で難易度を設定し、楽譜に★印をつけています。

★5段階カテゴリーの超ざっくり指標

そもそもできていないところが対象になるので、★4～5が多いですが…（笑）。★をつけることによって、一目で集中すべきポイントが分かり、意識をしっかり向けることができています。

楽譜には細かいことまで書き込めないので、★箇所の詳細は練習ノートへ。「難易度（★の数）具体的な課題内容 → 解決策」という形式で課題のクリア方法まで明確に書き起こすようにしています。例えば「イザイ／無伴奏ヴァイオリンソナタ第2番」では…

第4楽章21小節目について（実際のノートより）

その他にも、★5で特に注意が必要なところには記号や色も使ってひと際目立たせるようにしています。文字よりもイラストの方が分かりやすい場合もあるので、文字、イラスト、記号などを使い分けながら、自分なりに理解しやすい楽譜づくりを心がけています。

第1楽章冒頭の休符を意識するためのキツネのイラスト。
先生に「コン！」と意識するようアドバイスいただいたので、そこから連想してキツネにしてみました。

谷口さんは、ヴァイオリンを演奏するために必要な体づくりから苦手克服のための難易度設定まで、演奏の精度を着実に高める工夫を日々積み重ねていました。いずれも楽器問わずすぐに実践できるものばかり。これまでに公開した練習ファイルも参考にしながら、自分流にカスタマイズ&アレンジして、有意義な練習にしてくださいね！

📣 コンサート出演のおしらせ

「Lobby Concert vol.54」
日時：10月8日（土）12:00～
会場：OIT梅田タワー1Fロビー（入場無料）

本学在学生の海路日那さん（大3・ヴァイオリン演奏家特別）、喜多涼奈さん（大4・ヴィオラ）、松森千潤さん（大3・チェロ）とともに、弦楽四重奏コンサートに出演されます！
演奏曲はホルスト／組曲「惑星」より木星、葉加瀬太郎／情熱大陸　ほか。

👉 演奏会詳細はこちら
＊予定は変更になる場合があります。

谷口響子（Kyoko Taniguchi）
6歳からヴァイオリンを遠藤志季、東健三、北浦洋子の各氏に師事。「第21回“万里の長城杯”国際音楽コンクール」高校生の部第5位、「第21回大阪国際音楽コンクール」弦楽部門Age-U入選、「第23回“長江杯”国際音楽コンクール」大学生の部第3位、「第23回日本演奏家コンクール」弦楽部門大学生の部入選、「第17回アンサンブル・フェスティバル兵庫2021 in赤穂」奨励賞、「第7回豊中音楽コンクール」大学･一般の部第3位。現在、大阪音楽大学ヴァイオリン演奏家特別コース3年次在学中。

大音生の㊙練習ファイル － ヴァイオリン －

1. ヴァイオリン体操で体づくり

2. 練習ノートで頭の中を整理

3. オリジナル難易度ランク分けでハードルを可視化

📣 コンサート出演のおしらせ

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