JOBKオーケストラの結成と初放送

1925年(大正14年)10月、大阪放送局内にJOBKオーケストラが結成され、指揮者、ハインリッヒ・ヴェルクマイスター(東京音楽学校のチェロ教師)のもとに組織された楽団員と、ピアニスト、パウル・ショルツ(東京音楽学校教授)によってベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番《皇帝》作品73ほかが初放送された。ヴェルクマイスターがほどなく離任したあとを引き継いだのが、ロシアからの亡命指揮者、エマニュエル・メッテルであった。ハルビンで交響楽団を指揮したのち来阪し、朝比奈隆、服部良一にペテルブルク音楽院仕込みの和声学や指揮法などを教えた人物である。メッテルはこのラジオ放送用オーケストラと京都大学オーケストラを指導し、戦前の関西洋楽界のオーケストラの水準を高めることに貢献した。

ハルビン時代のE.メッテル(『猶太人在哈爾濱』2003年より)